「俺なんかに毎日べったりじゃ、社長も心配するだろ」
「彼氏なんか作った方が心配するよ。
椋ちゃんの事は、すごい信頼してるもん。椋ちゃんのところ行くって言っても、迷惑はかけるなよって言われるだけだし。
三年も一緒に住んでたから、息子みたいに思ってるんじゃない?」
「じゃあ俺はその信頼を裏切らないようにしないと」
「たまには裏切ってみるのも男らしさだと思うけど」
「俺には、恩を仇で返すようなマネはできない」
「三年うちに住んでたからって、それだけで恩?
椋ちゃんを住まわせたのは、パパが椋ちゃんを気に入ってたからだし、そんなに気にしなくてもいいと思うけど」
「大人の世界は色々と大変なんだよ。
それに、今は俺の勤める会社の社長でもあるんだから」



“大人の世界”“会社”

すぐそうやって大人と子供の線引きをする。
まるであたしに早く諦めろって言ってるみたいに。

それも、毎朝の事。