椋ちゃんはきっと、私が先生との事なんてなんでもないって言い切れば、仕事はきちんとしてくれる。
先生の事嫌いながらも、仕事だからって私情を切り離して割り切ってできるハズだ。
私の好きになった椋ちゃんなんだから。
だけど先生は……。
もしかしたら、私情を挟んで椋ちゃんを担当から外せとかそういう傲慢な態度にでるかもしれない。
だってあんな自己中なヤツだもん。
気に入らないって理由だけでどうにでもしちゃう、きっと……。
「ああもうっ! なんなの!」
独り言とは思えない大きさで怒鳴ると、ドアの向こうからパパが心配して大丈夫か聞いてくる。
そんなパパに、独り言だから放っておいて!と八つ当たりみたいに言ってから、脱いだ服を洗濯機に突っこんだ。
大体、パパが料理教室に通えなんて言い出したのが悪いんじゃない。
しかもお見合い相手が先生の料理教室になんて、本当に意味わかんないし!