お風呂に入るからとパパに告げてからバスルームのドアを閉めた。
ブラウスのボタンを外し終わった時鏡に映る自分が視界に入って、そのまま鏡と向き合う。
鏡の中に映る私の身体に散らばる赤いシルシ。
その中のひとつを見て顔をしかめる。
先生がどういうつもりでこんな嫌がらせするのかは分からないけれど、パパに聞いたお見合い話の件が理由だとすれば、やっぱり恨みなのかもしれない。
先生は私と椋ちゃんが付き合ってるって知ってるし、私の恋人である椋ちゃんが仕事相手だって分かったら、嫌がらせの矛先を椋ちゃんに向けたりしないかふと不安になった。
私が料理教室を辞めれば、先生のストレス発散の場がなくなって、余計椋ちゃんへの風当たりが強くなったりするんじゃないのかな。
だけど私が料理教室を続けたって、椋ちゃんに何もしないとは限らないし結局どちらにしても椋ちゃんは大変な思いをするかもしれない。