驚いて聞く。

確かに前、パパが上機嫌でお見合い写真を持ってきた事があったけど……。


「ああ、その時の相手が誠吾くんだったんだよ。
咲良は相手の写真も見ないで怒り出したからな。
覚えてなくて当然だ」
「先生は……あたしの顔、お見合い写真で見たの?」
「ああ。でもその時は興味もなさそうにしてたって聞いたが……。
自分との見合いを断って他の男をとった咲良に恨みでも持ってたのか……いや、まさかな」
「……恨みねぇ。
でも確かにプライド高そうだし、面白くないとかあるのかも」
「誠吾くん側は、お見合いしてもいいって事だったらしいから」
「なんか、商売の匂いがプンプンする。
先生、恋愛結婚とか絶対しなそうだしね。
それなりに会社の株が上がるような立場の女なら、誰でもいいんだよ、きっと。
それなのに恨まれるとか、わけわかんない」