椋ちゃんの仕事を邪魔したくない。
けど、先生があたしにした事は、もう椋ちゃんにも知られちゃってるし、今さらどうにもできないし……。
あたしにできる事なんて……。
“こんなの、なんでもないよ”って笑えば、椋ちゃんもそう思うかな。
……でも、あたしの性格なんて、椋ちゃんが一番よく知ってるし。
仲のいい櫻井とすら不意打ちのキス以外なにもできなかったあたしが、先生の行為を“なんでもない”なんて思えるハズない。
それを椋ちゃんだって、分かってる。
「でも……椋ちゃんは冷静だし、大丈夫だよ、きっと」
呟くと、黙っていたパパが困り顔で微笑んであたしを見た。
「だといいがな。
しかし、誠吾くんもなんでそんな事……。
見合い話が出た時には、咲良の写真に興味も持たなかったって話だったのに」
「え……っ、お見合いって、前、パパが写真持ってきた時の事?!
あれの相手って、先生だったの?!」