鼻息を荒くしながら言うと、パパは顔をしかめる。
そして、困ったようにあたしを見た。


「そうか……。困ったな」
「なにが」
「以前、誠吾くんが取引先の社長の息子さんだって事は話しただろう?
Sフーズっていう会社なんだけど、半年後にリリースできるように今新商品を開発中なんだ」
「……だからなに? 何聞かされても絶対やめるけど」


会社の事情なんか知らないし。
そう思ってるのがパパにも伝わるような態度で聞く。

パパは困り顔のまま、説明を続けた。


「今度コンビニデザートを新しく手にかけるって事で、パパの会社はそれに協力させてもらってるんだ。
それをSフーズの清水社長は誠吾くんに一任している」
「それって、会社での成績がいいわけじゃなくて、七光りでって事でしょ」


なんかもう、先生の事は何言われても悪いようにしか感じなくて自然と感じの悪い返事になってしまう。