「椋ちゃん?
……どうしたの? なんかいつもと違う……」
顔の横で、それぞれ押さえつけられた手。
それを気にしながら言うと、椋ちゃんはじっとあたしを見下ろしながら近づく。
「こんな挑発されていつも通りでなんかいられないだろ」
椋ちゃんの視線がなぞるのは、先生がつけたキスマーク。
熱のこもった椋ちゃんの瞳と、抑えつけられた抵抗。
それだけで、背中がゾクゾクして理性を奪っていく。
「で、でも、椋ちゃん、ここじゃ……」
「ごめん。
悪いけど、今は咲良の言う事聞いてやれない」
そのままキスされて、戸惑いながらも目を閉じる。
あたしの理性なんて、椋ちゃんを前にしたら何の意味もなくなるんだ。
ひんやりとした机についてる背中。
押さえつけられてる手首。
そんな事が嬉しくて堪らないくらい、椋ちゃんが好きなんだから。