「確かにイライラする時もあるけど、できる事が増えるのはやっぱり嬉しいもん。
少しは椋ちゃんの役に立てるかなって思うし」
ニコって笑うと、椋ちゃんもしばらくあたしを見た後、同じように笑う。
それから、ゆっくりとあたしを手をとった。
「ここ、赤くなってる」
椋ちゃんが掴んだ手首にあるのは、赤い点。
5ミリくらいの赤い痕は、今日の料理教室でついたモノ。
「あ、うん。今日、かきあげを揚げたんだけど、いかに反応した油が盛大に跳ねてそれで……りょ、椋ちゃん……?」
赤い痕に唇を寄せた椋ちゃん。
そっと触れられて驚いてると、椋ちゃんはあたしの腕を唇で辿り出す。
肘だとか二の腕、ボタンを外して肩にまで触れられて。
目の前に迫った椋ちゃんに、そのままキスされる。