「まだ22才で副社長務めてるとか、すごいですよねー。
仕事ができる上にイケメンだって、社内でものすごい人気らしいじゃないですか。
パパに聞きましたよ」
エビが茹で上がるのを眺めながら、少しイヤミったらしく言ってみる。
イライラしてるかなって思ってチラって見ると、先生は不貞腐れたみたいな顔してお鍋の中を見てた。
って言っても、いつもイライラしてる顔してるから、よく分かんないけど。
この人なんでこんな怒ってるんだろうって思うくらい、いつも無愛想だから。
櫻井を見習え。この仏頂面め。
「おまえだって社長令嬢だろ。
サラダにエビくらい普通じゃねーの?」
え、そこが気になってたの?
意外な疑問に驚きながら、茹で上がったエビをボウルに入れる。
「うちは、パパは元からお金持ちみたいだけど、ママは普通だし。
エビフライとかの時は殻つきの大きいヤツ買ってくるけど、チャーハンとかあんかけとかに使うのは冷凍のちっちゃいヤツですけど」
「……ふーん」