完全に不貞腐れてるあたしを見て、椋ちゃんは困り顔で笑った。
「咲良が不安なら、ここから通うっていう手もあるから」
一瞬、耳を疑った。
だって、今、椋ちゃんからはそんな事言ってもらえないって思ったばっかりだから。
自分が思ってるよりも想ってもらえてるのかも、って嬉しくなったけど……。
首を振った。
「それはイヤ。
あたしのせいで椋ちゃんに負担をかけちゃうとか、イヤだもん。
ただでさえ、10才も離れてるせいで色々気を使わせちゃってるのに、これ以上迷惑かけたくない」
そう言ってから、椋ちゃんをチラって見上げる。
「きっと、椋ちゃんから見たら何も考えてないみたいに見えてるんだろうけど」
これでも色々考えてるんだから。
そんなニュアンスで言うと、椋ちゃんが笑う。