「咲良を満足させるくらいは頑張らないとな。
……満足、できた?」
誘うように落ちる、椋ちゃんの指先。
唇に触れて……首、鎖骨って、あたしの身体を辿っていく。
「……まだ、足りない」
イジワル椋ちゃんが、あたしの視界を覆って――。
その後は、激動の時間を過ごした。
もう一回、なんて甘い事言ってられない現状に気付いて、すぐ着替えて家に戻って。
あたしと椋ちゃんがすでにそんな関係だって事を知らないパパは、送ってくれた椋ちゃんを捕まえて、上機嫌でお酒を勧めた。
で、ベロンベロンになって……ソファで寝ちゃう始末。
お酒を飲んじゃったせいで帰れなくなった椋ちゃんは客室で。
あたしは自分の部屋のベッドで。
「おやすみ」って言葉を交わして、幸せな眠りについた。