「“ついに観念したか”って笑われたよ。
社長は、随分前から俺の気持ちに気付いてたみたいだから」
「え、パパが?!」
「咲良が気付かなかっただけで、俺は結構分かりやすい態度とってたと思うから、気付いても普通だろ。
なんとも思ってない子と毎日朝晩一緒にいるほど、お人よしじゃないから」


そう言われて、いつかのみっちゃんの言葉を思い出した。


「そういえば……みっちゃんに、あたしが入り浸ってると他の女を連れ込めないのに、みたいな事言われた。
性欲ないのかなって」
「……すごい会話してるな」
「あったけど……性欲。
今日いっぱい汗かいて埃まみれだったから途中でヤダって言ったのにやめてくれない程度には」


恥ずかしくなりながらもずっと根に持っていた文句を言うと、椋ちゃんが笑う。

その顔が、イジワルで……さっきまでの情事を思い出させた。


えっちしてる時、こんな顔でいっぱい見つめられたから。