思わず言葉を失うと、あたしの考えてる事に気付いた椋ちゃんが苦笑いする。
「こういう関係になった事までは報告してないから安心しろ。
俺だって、社長からもらった電話で済ませられないような事だっていうのは分かってる」
「あ……なんだ。びっくりした。
じゃあ何を話したの?」
「俺も咲良が好きだから、咲良と真剣につき合わせてもらいたいって事と……。
体育祭で張り切りすぎた咲良が、うちで居眠りしてるって嘘を言っただけ」
「……パパ、なんて言ってた? 椋ちゃんに失礼な事とか言わなかった?
ロリコンとか、自分の立場を分かってるのか的な事とか……」
あたしの恋愛を応援してくれてはいたけど……。
さすがに付き合うってなると、父親としてどうなんだろうって思って聞いた。
あたしを心配するあまり、反対のひとつくらい、したくなるんじゃないかなって。
椋ちゃんは、困り顔で微笑みながら答える。