***
「――咲良?」
ゆっくりと目を開けると、椋ちゃんの顔があった。
条件反射で微笑もうとしたけど、それを、鈍い腹痛が止める。
体験した事のない痛みに不安になりながらお腹に触れて……服を着てない事に気付いた。
「……あ、そっか」
「身体、大丈夫か?」
よく見てみれば、椋ちゃんも上半身裸で。
一気に恥ずかしくなってきて、顔が熱くなる。
だって、刺激が強すぎる!
目の前には、カッコよさ全開の椋ちゃんがいて、しかも何も着てない上半身をおしげもなく露出って……っ。
サービス精神が旺盛すぎる。
「咲良?」
「あ、え? なに?」
「大丈夫か?」
椋ちゃんの手が、優しく頭を撫でる。
嬉しさが止まらなくて、じたばた暴れまわりたい気分で頷いた。