呆れたみたいに笑った椋ちゃんが、あたしの頭に触れる。
そして前髪をわけるみたいに撫でた後、おでこにキスをした。
「あいにく、俺には咲良を痛がらせて楽しむ趣味はないよ」
「別の意味でじっくりいじめさせてもらうけど」そう言い終わるのと同時くらいにキスされる。
さっきされたみたいな、翻弄されるキス。
ドキドキしながらも積極的に応えると、キスをしながら椋ちゃんが笑う。
「こら。あんまり煽るな」
「……あ…っ…」
制服のボタンを外して、椋ちゃんの手が中に入り込んでくる。
あたしの体温よりも、少しだけ冷たい椋ちゃんの手。
身体中にキスを落とす椋ちゃんを、ギュッと抱き締めた。