「じゃあ、俺の事も襲う? いつか俺に襲われる前に」
「え……」
驚いて声をもらすと、真剣な顔した椋ちゃんが、あたしの頬を撫でる。
誘うような仕草に感じて……。
さっきとは違う理由で、胸が苦しいくらい締め付けられた。
頬を撫でる椋ちゃんの手に、ゆっくりと上から触れる。
「椋ちゃんになら、襲って欲しい……」
目が合って、数秒後。
視界がぐるって回った。
背中にはベッドがあって……目の前には、笑みを含んだ椋ちゃんの顔。
ドキドキしてたけど、全然怖いとは思わなかった。
むしろ、椋ちゃんがあたし相手にそういう気持ちになってくれたのが、嬉しいくらい。
「気をつけろよ。
あまり大人の男をからかうと痛い目に遭うから」
「いいよ。椋ちゃんになら痛くされても平気だもん」