そのままトロけそうな幸せに浸って目を瞑ってると、しばらくした後、椋ちゃんが呼んだ。
「咲良」
「なぁに?」
「彼氏に押し倒されたって言ってたよな?
どこまでした?」
「え、あ……押し倒されたっていうか……」
思い出されるのは……櫻井を押し倒した事。
けど、まさかあたしから押し倒したとか言えないし……。
かと言って嘘つくのもイヤだし……。
そう思って答えられずにいたら、椋ちゃんが抱き締めていた腕を緩めた。
そして、あたしの手を握る。
「言葉で言いにくいなら、再現してみて」
「……じゃあ、ベッドに仰向けになって」
言葉で言うよりは、ちゃんと再現した方が誤解がないかも。
そう思って、仰向けになった椋ちゃんの上に乗る。
そこで椋ちゃんが顔をしかめた。