「とっくにバレてるかと思ってた。
自分の気持ち押し付けるのに精一杯で、俺の気持ちまで見えてなかったか」
「だって……いっつも大声で叫んでたから。
椋ちゃんの声なんか聞こえなかったもん」
「そうかもな」
「だから、今、言って。ちゃんと静かに聞いてるから」
じっと、見上げながら言う。
椋ちゃんは、今まで見た事のないような優しい顔で微笑んでた。
椋ちゃんの部屋と、椋ちゃんの香り。
その上、抱き締められたりしてると、もう自分の名前まで忘れちゃいそう。
「咲良が好きだよ。もうずっと前から好きだった」
「あたしも大好き……っ、大好きっ」
慣れてるハズの告白なのに、言っただけで涙が出そうになった。
それを誤魔化したくてぎゅっと抱きつくと、抱き締め返される。
なんか、もう……なんていうか。
多分、今この地球上に、あたし以上に幸せな人はいないと思う。
絶対だ。確信できる。
そんな気分。