「なんか……この部屋くるの久しぶり」
そのまま寄った、椋ちゃんの部屋。
懐かしく感じてそう言うと、椋ちゃんがあたしを振り返った。
「37日ぶりだからな」
「え、数えてたの?」
意外すぎて嬉しくて笑ってると椋ちゃんがリビングを出るから、その後ろを追いかける。
「その間、咲良は他の男の部屋に入り浸ってたみたいだけど」
「……入り浸ってたわけじゃないもん。
一回だけだよ。それにふたりきりでいた時間は10分とかそれぐらいだったし」
別に、椋ちゃんと付き合ってたわけじゃないんだから、後ろめたい事じゃないのに。
椋ちゃんが責めるように言うから、なんとなくいいわけ口調になる。