本気で突っかかりそうな響子さんに、まあまあと宥めを入れるハジメとモト。

弥生は苦笑いを零し、タコ沢は煩い奴等だと呆れていた。


……元気だよなぁ、皆。


変わっていない皆に安堵の息を漏らし、俺は側にいてくれる彼女と舎弟に目を向けた。

泣き笑いしている彼女に気付き、頭に手を伸ばす。

よしよし、頭に手を置いて撫でてやった。



「心配掛けてごめんな。ただいま」



途端にココロは糸が切れたように、「ケイさんっ」抱きついてくる。

その体を片腕で受け止めた俺は縋ってくるココロに何度もごめんを紡いだ。


心配掛けてごめん、本当ごめん。ごめん。

もう大丈夫だから。


彼女の頭を抱きつつ、俺は舎弟に視線を流して一笑した。

泣きそうな舎弟に、

「ヨウから聞いた」

お前、俺の仇を取ってくれたんだって? サンキュな、そう言うと当然のことをしたまでだとはにかんでくる。
 

「だって俺っち…、ケイさんの、舎弟っスもん。だからっ…、だからっ」


ふるふると体を震わせる舎弟に目尻を下げ、俺は上体を起こす。

彼女の体をベッドに乗り上げさせると、その体を腕に閉じ込める。


んでもってキヨタを手招き。意図が分かったキヨタは、ベッドに上がって後ろから抱きついてきた。


片手で頭を撫でてやると、


「俺っぢ寂じがったっス!」


うわぁああんと耳元で喚かれた。

ごめんごめん、お前にも随分心配を掛けちまったな。ほんっとごめん。