「―――…はぁ。リーダーといい…、響子といい…、少しは周囲を見て、行動しろ。なんで揃いも揃って無鉄砲…なんだ。ケイが折角戻って来たのに…、ベッドに逆戻りなんて」


はぁああ、深い溜息をつくシズが視界に飛び込んでくる。
 
これは響子が悪いと訴えるヨウだけど、元はと言えば説教中に飛び出したお前が悪いと響子さん。

連絡を無視して非常に憤っていたらしい。

うん、そうね、その怒りは顔面に受けた通学鞄の痛みでスッゲェ分かったよ。

分かったけど、相手を見て投げてくれても良かったんじゃ。

感動の対面どころかギャグネタにしかならないこの対面。


嗚呼、ワロスなんだぜ畜生!


「う゛うっ…、あ、頭が痛い」
 

タオルを巻いたアイスノンを患部に当て、シズのベッドの中で唸っている俺に、「だ。大丈夫ですか」「死んじゃ嫌ッス!」ココロとキヨタが盛大に心配してくれた。

ココロ、大丈夫だよ。圭太は今日も元気さ。

んでもってキヨタ、大袈裟だって。俺は元気だよ! 顔面と頭以外は!


「マジごめん!」


響子さんが両手を合わせて謝罪してきてくれる。


「ヨウに制裁を下そうと思ったんだ! ケイに制裁なんざこれっぽっちも思っちゃなかったんだっ、…だ、大丈夫か?」

「だ、大丈夫ですよ…。刺激ある歓迎をどうもでした」


もっと別の歓迎を望んでいたのは俺はわがままだろうか?


「暴力女だよな、響子は。そんなんじゃ嫁の貰い手ねぇぞ」

「うひゃひゃひゃ! 言われてやんの、響子ちゃーん!」


余計なことを言うヨウと、大笑いするワタルさんのせいで響子さんの怒りが再熱。

纏めて叩きのめすと二人にガンを飛ばしていた。