「―――…で、なんでテメェ等がいるんだ? ヤマト。恩を売りにでも来たのか?」 

 

同じく隣町の流通倉庫跡地にて。

気が済むまでトップ達と遊んだ(と表記しておく)ヨウは乱入してきたチームの頭に訝しげな眼を飛ばした。

喧嘩に水を差しに来たのかと思いきやそうでもなく。


単に雑魚の相手だけ、そう相手だけしてくれたという、つまり助っ人になってくれたチームに薄気味悪さを感じる。


茶々を入れに来たのならば話も分かるが、あの傍若無人な日賀野大和がチームを引き連れて助っ人だなんて明日は雪だろうか?


ヨウの疑問に野暮用の一言で済ませるヤマトは、

「ま。気になることもあったしな」

分け前として情報を共有させてもらおうと思ったのだと話す。


「ミジンコがヤラれるところを見てぇってのもあったんだがな。ま、貴様がグズ以上の存在だってのは今回のことで多少理解した。良かったな、クズ以上で」

「テメッ…、毎度毎度気に食わねぇな!」


唸り声を上げるヨウに、「おれが頼んだんですよ」第三者が話しに割って入る。


視線を流すとそこにはケンが。


ヨウに歩んで自分がリーダーに頼んでチームの出動させたのだと物申す。

ここ数日の荒川チームの動きはアキラを通して知っていた、ケンは淡々と告げる。


何故? ヨウの問い掛けに、「伝言を聞いていませんか?」ケンはシズに伝言を託したのだけれど、と苦笑いを零した。


いやそれは聞いたけれど、言葉を濁すヨウになら話は早いとケンは此方を見据えてくる。



「圭太はおれの友達。あいつがヤラれたから…、おれはおれで動いたまで。だから勘違いしないで下さい。
これはあなた方チームに手を貸したわけではなく、おれ個人がおれ個人の私情のためにチームに手伝ってもらった。友達の仇討ちのために。それだけです」


あいつのことでまた何かあったら首を突っ込みますよ。

それこそ不甲斐ないチームとおれが判断したら、此方に圭太を引きずり込むまで。


覚えておいて下さい、荒川さん。

あいつはおれの友達。

あいつがおれを助けてくれたように、おれもあいつのためならチームの垣根を越えて飛んできます。