「何があったんだ!」


ちゃんと説明しろっ、オッソロシイ顔で胸倉を掴み揺すってくる浅倉さんにっ、俺は内心で大絶叫。

今から説明しようとしてるんだからっ、そう急かさないで下さいっ、っつーか怖いからぁあああ!

んでもって痛いっ、そう揺すったら痛いっ、うわぁあああもう話を聞いてくれない不良さん嫌いなんだぜ俺!
 

呻き声を上げて脇腹を押さえる俺に気付いたヨウは、「浅倉」ケイが痛がってる、手を放させてくれた。


「わ、悪い」


すぐに頭に血がのぼっちまうんだ、おりゃあ。

真摯に謝罪してくる浅倉さん…、ほんと蓮さんを心配してるんだろうな。


気持ちが分かるから俺は答える。

楠本にやられた、と。
 

「向こうの目的は偵察だって言ってましたけどっ、あれは確実に蓮さんをターゲットにしていました。
“エリア戦争”の勝敗を分けた、チームの内発を首謀者をとても怨んでいて。俺はオマケでヤられた程度でしたけど、蓮さんは…っ、隙を突かれて」 


「楠本が。そうか、あいつ…蓮をっ…」


意味深に頷く浅倉さんは、ガリガリと頭部を掻いて物思いに耽り始めた。

きっと状況を整理しようと躍起になってるんだろうな。


余所でヨウが早速おいでなすったかと吐息をつき、本当に怪我は大丈夫なのかと再三再四聞いてくる。


頷く俺は、ちょいと間を置いて思ったことを口にした。




「なあヨウ。もしも居場所がなんらかのカタチで壊れされちまったら、人ってやっぱ復讐に走っちまうもんなのかな?」