「―――…っ、どうした蓮! そのナリっ…、蓮、おい蓮!」
「ケイ、いねぇと思ったらっ…何があった!」
蹴られてズキズキと痛む腹部を総無視し、俺は蓮さんをおぶって倉庫に戻った。
既に俺等が抜けていることがばれていたらしく、双方のリーダーが首を長くして不機嫌に帰りを待っていたんだけど(不機嫌度はマックスですた。はい)、こっちの状態に一変。
出入り口で片膝をつく俺に血相を変えて飛んで来た。
何があったんだとお互いの口から疑問をぶつけられるんだけど、まずはヤらないといけないことがある。
「誰か蓮さんを」
すぐに休ませて下さいっ、スタンガンでヤられたっ。
息も絶え絶えに言えば、「なんだそりゃ!」素っ頓狂な声音を上げながら桔平さんが俺の背から蓮さんを受け取ってくれる。
幸い、蓮さんの意識ははっきりしていた。
「やべぇ痛ぇ」
苦笑する蓮さんに、
「スタンガンってなんだよ」
おいマジで大丈夫なのか、桔平さんは何度も声掛けを行っている。
一方で俺は楠本に蹴られた脇腹を押さえつつ、ヨウの手を借りて上体を起こしていた。
大丈夫かという心配の念に、不意打ちを食らっただけだと苦笑。蓮さんよりはヘーキだと返して足を動かす。
くっそぅ、痛ぇな。
これからは不意打ち対策として腹巻を常備しなきゃなんねぇんじゃね?
腹巻で蹴りが緩和できるかどうかは謎いけど。
「何があった」
俺を壁際に運んでくれるヨウは、休息なしに舎弟の両肩を掴んで説明を求めてきた。握る手が痛いって、肩、砕けちまうっつーの。
口を開こうとしたら、これまた浅倉さんが横槍を入れてくる。