今度どうしていくか、それは向こうの動き次第ってことで決定付いた。


取り敢えず、今日の話し合いは向こうの動きや内情を知るために偵察と情報収集に行動範囲を絞るってことで話が纏まったんだ。

無意味に行動範囲を拡大しても、向こうに感付かれて先手を打たれるだけ。

慎重に行動を起こそうというのがヨウと浅倉さんの考えだった。


尤も、二人とも行動派だからこういう動きは苦手だって嘆いていたけど。

 
情報収集のために弥生から呼ばれたタコ沢は「なんで俺様が此処に来ないといけないんだ」、すっごい不機嫌な顔で地団太を踏んでいた。


いや、それでも此処に来てくれるお前は偉いよ。

連絡貰って20分以内に来てくれたとか、お前、マジで偉い。

ヨウに文句言われるのが鬱陶しくて来てくれたのかもしれないけど、それでもちゃーんと来てくれたタコ沢は偉いんだぜ!

グッジョブ、アーンド、ドンマイタコ沢!
口に出したら怒鳴られるから心の中で言っておくことにする!
 

事情を聴いたタコ沢は、ちょーメンドクサそうに脳内の楠本の情報を引き出し、俺等に知っている限りのことを教えてくれた。
 
 
「楠本っつったらあいつだろ? 一時、廃人になり掛けていた不良だろ?
元野良不良で榊原の舎弟だったが…、エリア戦争直後、野良に戻って廃人になってたらしいぜゴラァ。

だがある日プッツリ、楠本も行方を晦ました。
っつーか、情報が途絶えた。表立つことがなくなったんだ。不良を脱したとか、榊原を探しに旅に出たとか、蒸発したとか、色んな噂が飛び交ってたが真相は謎のまま。どうなったかは誰も知らねぇ」


「てことは、何だ。情報が無いってことか? 無いってことはねぇだろう」


ヨウの質問に、タコ沢は肩を竦める。