違和感ありありの服装に変な感じと俺はポツリ。

こんな風に着崩したことないんだけど。

シャツをちょい開襟とか…、真面目精神からしたら論外なんだけど。

ネクタイ締めないとすっげぇ変な感じだしさ。


だけどピアスをしたからには断然こっちの方が良いとモト、キヨタもこっちが良いと言ってくれる。


うーむ、ファッションセンスに少しは目覚めるべきなのかなぁ。
しょーがない、二人がそこまで言うなら、「学外ではこれでいってみようかな」と微苦笑。
 

途端にキヨタが笑顔のまま「……」、モトは「はああ?!」素っ頓狂な声を上げて下さった。


「バッカじゃないか! なんで学内ではしないんだよっ。ゲッ、まさかっ…、あ、あの違和感ありありな恰好を貫くつもりじゃ」


「だって風紀検査で捕まったらメンドイじゃないか。
ピアスはホールが出来上がるまで、無理に外したりしない方がいいみたいだから付けておくけど。教師に怒られちまうし、学内では真面目ちゃんを貫こうかと。
でもダイジョーブ、学外では勇気を踏み出して着崩しというハイレベルなワルをやってみようと思うから。あくまで思うだけだけど」


「それのナニがハイレベルだぁああ! ヤメロっつーの! あのミスマッチな恰好をするくらいなら、制服を着崩せ! ヨウさんの舎弟だろっ、地味でも不良になっちまってるだろ!
煙草とか吸えてるくせに、身形を真面目に統一しようとするとかイミフだし!
ちとはヨウさんに見合うような恰好しようとか思わないのかよ! ヨウさんと風紀どっちが大事だ?!」


「あー…、その選択肢だと多分俺、風紀ッ…、な、なーんちゃってヨウ兄貴に決まってますですっ! だからっ、馬鹿ッ、それくらいで怒るなって!」



物凄い形相をしてくるモトが俺に一発かまそうと襲い掛かってきた。
 
田山圭太の判断は勿論、モトを迎え撃つ! …わけもなく、全力で戦闘から離脱である。

仕方がないじゃないか!
まともにモトとやり合って勝てる見込みはゼロだぜゼロ!

あ、向こうが不調とかそういった理由があるなら1%の確率で勝てるかもしれないけど。


「その腐れ切った根性叩き直す!」ギャンギャン吠えるモトに、

「真面目精神は腐れかよ!」ついついツッコミを入れちまう。