わたしは毛布の間から手を出して圭吾さんの髪に触れた。
「夜になると目が覚める」
圭吾さんはわたしの膝に頭を乗せたまま言葉を継いだ。
「志鶴は僕の心が生み出した幻で、この数ヶ月は夢じゃないのかって不安になる。君に会える朝が待ち遠しくてたまらない」
「圭吾さん」
「ん? 何?」
「わたしが必要?」
低い笑い声がわたしの膝を震わせた。
「今まで僕の情けない告白の何を聞いていたの? 僕以上に志鶴を必要としている奴はいないと思うけど」
そうね
「じゃあここがわたしの居場所なんだと思う」
「本当に?」
「うん」
「ずっと側にいてくれる?」
「いる――えっ? わっ!」
いきなり押し倒されて仰天したわたしの上に圭吾さんの体が重なった。
「け、け、け、圭吾さん?」
「何?」
「分かってるだろうけど、わたし 男の子と付き合った事ないんだけど」
「知ってるよ。優しくするから」
うわぁ――――――っ!
そうじゃなくてっ!
キスしたこともないんだってばっ!
ちょっと待って!
いきなりすぎるっ!
パニックになったわたしは、見事にもブラックアウト
――失神してしまった