「志鶴?」

なぁに?

「どこか痛い?」

ううん


何かが頬を伝ってる

いやだ わたし泣いてる?

ボロボロ泣いてる?


圭吾さんがゆっくり、本当にゆっくり近づいてきて手をのばした。

「おいで、志鶴」

わたしは子供みたいに声をあげて泣きながら圭吾さんにしがみついた。


ごめんなさい

ごめんなさい あんな事言うつもりじゃなかったの


圭吾さんはホーッと息を吐き出し、わたしの髪に顔をうずめた。


それからは全部夢の中のようにぼんやりしてる。


部屋に連れていかれて

お医者さんが呼ばれて

注射をされて

眠った。