思ったような三宅琴乃からの
嫌がらせ等は、あれから
とくに何も起こらず、
身をひいたのだろうかと
麻衣子とそんな話しをしていた。



「そんなことよりさっ!!」


とある休み時間
麻衣子は私の腕を叩いて言った。


「キスって何よ」


「…………っ!!」



思い出しただけで
顔面が熱い。



「王子も王子だよ。
 好きなら好きって
 はっきり言えよ。
 何が“可愛い”よ、
 ねぇ、恵梨香」


「………ま…まぁ…」


「いいの?
 中途半端な関係のままで。
 三宅琴乃も面倒だし」


「そうだね~」


「ほんっと恵梨香
 能天気だよね……」



麻衣子が私を睨むと同時に
休み時間の終わりを告げる
チャイムが鳴った。