−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ふんふふーん、歌を口ずさみながらやって来たのはアパートの近くにあるコンビニ。だがコンビニのくせにやたらと人が多い。しかも女性客。
「人多いなーまぁいっか。冬児さんさら貰った千円で沢山買おー!」
白石さんの仕事は忘れよう。頼まれた荷物はちゃんとあるし、うん。そう考えながら商品をカゴの中に入れていく。レジに向かおうと思ったが人が多すぎて辿り着けない。つかレジ見えねぇ。
「…無理矢理進むか」
わしわしと人を押し退けてレジテーブルにどんっとカゴを置いた。続いて体もレジまでもって来て顔をあげるとわぉ、美形。
「いつ見ても美形ですね」
「なっ!?朝霧?!!」
「でも貴方のせいでコンビニが窮屈です!貴方コンビニバイト向いてない!!」
「随分な言い草だなぁ?いつもお前にあんまん奢ってやってんのはどちら様だ?」
「フェリアル様でっす!」
「なら文句ないだろ」
「ありありです。今夜私にお米くれるなら別に良いです」
何だよそれ、とくしゃっと笑った顔は実際年齢より若く見える。
「さぁレジを進めるのだ!」
「お前が苦情言って来たんだろ」
「あんまん一つ」
「話しを聞けコラ」
そういいつつも自腹であんまんをくれるコンビニ王子ことフェリアル・カルランムさん。イギリス人と日本人から産まれた世界トップの会社の御曹子。堅苦しい家に嫌気をさし家出をしたそうだが、もう見つかってた。つか影から応援してた。親バカだ。でも羨ましいよ、毎月100万も貰いやがって!と考えてる内に会計が終った。
「どもなー、お仕事ファイトです!!」
また人混みに入ろうとするとフェリさんが口を開いた。
「夜8時!」
「へ?」
「米持って部屋に行くから」
「フェリ様愛してる!」
「なあっ?!!大声でんな事言うな馬鹿!!」
「いやん、照れちゃって〜」
「…朝霧、」
「はい?」
「…お、俺を、待ってろよ」
「…フェリさん可愛い!」
「ううう、ぅうるせぇ!!可愛いって言われても嬉しくねぇ!!」
「ツンデレ!萌えるー!!」
「ツンデレじゃねぇえええ!!!」
【ツンデレコンビニ王子と今日この頃】