「じゃあ、姫華の家まで3人で行こうか。」


優哉は姫華を見てニッコリと笑い、チラッと咲人の方を見た。


まるで有無を言わせないかのように。


『うんっ一緒に帰ろう♪』


ニコニコとしている姫華の上で優哉と咲人が火花を散らしていた。


もちろん怖いくらいの笑顔で。




優哉は咲人が姫華の事を好きなのは気付いていた。


今までずっと姫華を遠くから見ていたから。




女の子を男の子が挟み、仲良く手を繋ぎ歩いている。


幼稚園児かっとツッコミたくなるくらい異様な光景だ。






姫華の家につくと、優哉の手が離れ少し右手が寂しく感じるも、頭にフと重みを感じた。


乗せられたのは優哉の暖かい手。


姫華の顔が自然と笑顔になる。


「じゃあまた明日ね。」


『うん!気をつけて帰ってね。』


「あぁ。」


優哉は返事をすると踵を返し、家路についた。


姫華は優哉が見えなくなるまで、後ろ姿を見つめていた。