「俺、負けちゃったけど。」


優哉は苦笑し、ポリポリと頭をかいた。


『そっか、じゃあ次は頑張ってね!!』


姫華は優哉に満面の笑みを見せた。


「おう////」


優哉は照れながら頷いた。




その時かすかに姫華と優哉の手が触れた。




「……。」


優哉はトクントクンと高鳴る胸を感じながら、そっと姫華の手を繋いだ。


姫華はフと握られた右手を見つめてから優哉を見た。

ボソッ
「しー…。」


優哉は人差し指を口元に持っていき、柔らかく、でもちょっぴりイタズラっぽく微笑んだ。




―ドキッ




姫華の胸が大きな波をうって高鳴った。


その優しげな眼差しに姫華は見とれた。


手を繋いでいる所が死角になってるせいか、咲人は気付かない。