『そうだよ?』


宏介は姫華の返答に考える素振りを見せた。


「じゃあ、たまに助手として俺の仕事手伝ってくれないか?」


『えー。』


「なんだよ。あからさまに嫌そうな顔すんなって。」


姫華の顔は眉をひそめ、口元が引き攣っていた。


『私じゃなくても他の人に頼めばいいじゃん。』


「お前、成績良い方だろ。余裕じゃん。」


姫華の成績は学年で上位10位以内に入っている。


『でも…。』


「俺の仕事手伝えば内申もよくなるし、褒美として学食の無料券あげるし。」


『学食の無料券…?』


姫華は今一番食べたい、限定30食のスペシャルオムライスセットを思い浮かべた。


ジュルッ


おっと、ヨダレが。


姫華はヨダレを手の甲で拭くと、キラキラした目を宏介に向けた。


『是非やらしてくださいっ+゚』


「あ、あぁ…。」


宏介は姫華のキラキラした目に若干引きつつも、取引を成立させることに成功した。