『ちょっと待っててね。』


姫華はそう言うと、ハンカチを取り出し、水道の水でハンカチを濡らした。


『目瞑ってじっとして。』


「あ、あぁ。」


宏介は姫華のされるがままだった。


姫華は血が止まるまで濡れたハンカチで抑えると、ブレザーのポケットから絆創膏を取り出した。


宏介の目の下に絆創膏を張り、ふぅっと一息ついた。




「終わったか?」


『うん!応急処置はしたよ!』


「サンキュ。」


『どういたしまして♪』


宏介は姫華の頭を優しく撫で、姫華は撫でられて嬉しいのかエヘヘと微笑んだ。




「戻るか。」


『うん。』


私達は資料室に戻り、資料を片付けた後、事務に連絡し、蛍光灯の処理を頼んだ。

「もう帰るのか?」


『うん!』


「お前、部活入ってなかったよな?」