「ッー…大丈夫か姫華?」


私のところに影ができている…。


『宏ちゃん?』


見上げると、すぐそこには宏介の顔があった。


宏介が私を庇って、落ちてくる蛍光灯を変わりに受け止めたのだ。


「怪我は無いか?」


『え?う、うん…。』


私は戸惑いながらも頷いた。


「よかったー…。」


宏介はそう言うと私を優しく抱きしめた。


『え…//』


宏介からほのかに煙草の香りがする…。


なんだか…落ち着く…。


「姫華が怪我したらどうしようかと思った…。」


『宏ちゃん…。』


私は宏介を見上げると左目の下に切った傷が出来ているのを見つけた。




『宏ちゃん怪我してるッ』


「え?本当だ。」


宏介は姫華に指差されたところに触れると、指先に血が付いた。


『大変ッ宏ちゃんちょっと来て!!』


私は宏介の手を取ると、走って水道の所まで行った。