「千夏と他の連中が連れて行きてぇって言ってんだよ」


「千夏ちゃんが?」



逞さんと虎さんの繋がりは分かったけど……。


じゃー、泉さんとの関係は?



「俺は族じゃなかったからね」



だ、だよね。



「族より質が悪かったよなー」



え?



「逞」


「す、すまん」



え?それでいいのか元総長。弱過ぎだろ元総長。



「俺は別にどっちでも良いんだ。めんどくせぇ」



確かに。私が誰よりもそれを思っているよ。


虎さんにとって私は千夏ちゃんの友達ってだけで興味ないよね。


てか、むしろ私は邪魔?


握られていた手に、ぎゅっと力がこもった。


泉さんは虎さんに冷たい視線を向け、低い声を放った。



「何かあったら覚悟しとけよ。終わったら迎えに行く」


「あぁ」


「誰のケツに乗せんだ?」



二人の話が終わると逞さんがデザートを口に運びながら首を傾げた。



「あー、恭二が乗せ……」


「あ゙?」



顔をしかめて反応したのは泉さん。



「恭二は駄目だろ。あいつ特攻隊長じゃん」



逞さんも反対の声を上げる。やっぱり特攻隊長は危険らしい。



「あぁ、でも……」


「駄目だ」



虎さんの言葉を遮り、泉さんは私の手を握り締めている反対の手で煙草を灰皿に押し付けた