「どこ?」


「え?」



聞いてきたのは逞さん。真顔の逞さん初めて見たかも。



「どこ?」


「どこって……」


「奈緒ちゃん、どこの族?」



え?あ、そゆことか。



「こ、黄龍です」



一瞬、眉を顰めた彼は逞さんに命じた。



「逞、呼べ」


「あいよ」



え?

え?

え!?


訳が分からずオロオロしていたら泉さんが、にっこり笑ってくれた。


あ、なんかホッとする。


私も自然と頬を緩めてしまった。



「愁、すぐ来るって」


「おー」


「あんま虐めるなよー」


「さー?」



あ、泉さんのS魂に火がついた。てか……。



「誰が来るんですか?」


「んー、来てからのお楽しみかな?」



泉さん、何を企んでいるんですか?