「しょうがないな、作ってあげますか」

「まぢ!?やりぃ!!」

「俺ら、料理出来ねぇしな」

うっそ。

めっちゃ出来ると思ってた。

だって、輝は寮に入ってるし、隼人お兄ちゃんは留学してるし。

2人とも、親元離れてるくらいだから、自分で作ってるのかと思った。

でも、作れないなら仕方ないか。

1人納得し、キッチンへ。

「綺麗なキッチン。おばさん凄く手入れしてるんだ」

綺麗すぎて使うのもったいないくらい。

でも、作んなきゃね。

黙々と作業をし、30分たらずで作り終わった。

「隼人お兄ちゃん、輝。ご飯出来たよ」

バタバタバタ…トントントン…。

ガチャ…。

「旨そうな匂いがするぞ」

「ホントに美味しいもん」

「ほぉ,どれどれ」

おかずに手を出そうとしている隼人お兄ちゃんの手を、バチンと叩いた。

「こら!!お行儀が悪い!!ちゃんと座って、『いただきます』をしてからでしょ!?」