「誰かと誰かがわかりあうなんて、無理な話なのよ。」




彼女は僕にそう言った。




彼女は僕の親友であり、この世界で唯一信用している人間だ。




「そうだね。」



これ以外の返事が他にあるだろうか?



「そうじゃない、わかりあえる。理解しあえる。」



そんなことを本気で言うのは小学校の教師か24時間のチャリティー番組ぐらいだ。



僕も彼女もそこまで子供ではなかった。