――…バシャーンッ!!


水面がそう音をたてて

大きな波紋が広がって行くのを

下から見ていた。


どんどん広がって行って

水色の世界が

虹色の泡につつまれる。



きれい…



あれ

でも


ここは川なのに


どうしてあたしの体は


沈んでいくの…?

苦しくないの…?


あぁ

でも

なんでもいいや…


だってこんなにも

きれい


こんなにも

きもちいい


灰色だったあたしの世界が

こうやって色に染まり出したのは


あたしが死んだからなんだよね。


だけど

天国にいけるわけがないのに


…このあたしが

こんなにきれいな世界にいていいのかな?


あぁ

そっか


天国にいけないから

いまだけは

きれいな世界を

みせてくれてるんだな


案外

神様は

あたしを

そんなに怒っていないのかもしれない


そんな結論にほっとして

目を閉じたあたしは


気にしていないと思ってたけど

もしかしたら

ずっとこわかったのかな


こんな自分が


ずっと

ずっと


だから…


こうやって消える事ができて


こんなにもほっとしてるのかもしれない……