2人で息をそろえ

『ゆーびきーりげんまん』

『うーそついたら…』


そこまで言うと
僕の口が止まった。

美智はすかさず、同じく歌うのをやめた。


「どうかした?」

微笑んで優しく聞く。


「ごめん、僕本当の歌知らなかった…」

「知らないのにゆびきりしようとしたの?」

「うん…」


「じゃあ歌ってあげる」

美智の澄んだ歌声が
チャペルに響いた。






「ゆびきった。」

美智は最後まで歌うと
絡めた小指を外した。