時計は7時34分を指していた。

まだ2人の熱をおびた室内を、僕はビールを飲みながら歩いていた。


「たっちゃん…」

「あ…起きた?疲れてるだろうから、食事部屋に持って来てもらうように頼んでおいたよ」


「そういえば…お腹すいたぁ。今何時?」

「7時40分だよ。」

まだ40分ではなかったけど、大まかに答えた。
その時、チャイムが鳴った。


食事は、テーブルに並べて貰った。



ベットルームを離れると
綺麗な広々とした部屋
さっきまでの時間が嘘みたいだ。


「広いのも良し悪しだな。」


美味しそうな料理をついつまみ食いした。


「ん。うまい。」



「そんなに美味しいなら先に食べちゃおう」


藍ちゃんは、クスクス笑いながら部屋に入ってきた。

乱れた髪も綺麗に整えられて、きちんと服も着ている。


それに比べ、僕は上半身裸でビールを片手に立っていた。


「着替えてくる。」

僕は慌ててベットルームに戻ろうとすると
ヒヤリと冷たい手が腕を掴んだ。


「いいじゃない。そのままで。食べよ?」


さっきまで
あんなに熱をおびていたのに

今はこんなに冷たい。



ギャップに戸惑いながら
僕は言われるがままに
席に着く。