穏やかな風のなか

激しいピストルの音が
鳴り響く




何も考えない。


真っ白い中

僕を応援する
藍ちゃんの姿が
サッと横切った。



正確にいうと
僕が、藍ちゃんの前を
横切ったんだけどね。





その時
藍ちゃんの視線が
僕の後ろにいる
何かに移った。




振り向くと
後ろでタケが
転んでいた。




自然に身体が
タケの方に向かった


「大丈夫か?」

手を差し出すと
タケは涙ぐみ
僕を見つめた。