「変わりに、そいつなら、お仲間にどうぞ」


小野田さんの声がした。

いつの間にか、あたしの近くにいる。

ヒデタダを差し出しながら、あたしの肩をそっと抱く。

「いや、それは矛盾してるんですけど」

思わずつぶやく。

「いいの。あいつは。さ、戻ろうか」

言って、カウンターの方へ連れ戻される。

「危ない客だな」