「一緒に飲もう」


『嫌に決まってるだろう』

その言葉しか浮かばない。

まさか、それは言えなくて、凍り付く。

あたしが力いっぱい拒絶をしないものだから、図に乗らせているのがわかる。

ぐいっと、手を引っ張られてしまう。

逃げられないように、腕を、つかみなおされる。

痛い。

酔っ払ってるから、力の加減が甘いのか。

そもそも加減なんてするつもりがないのか。

あたしは笑みを貼り付けた顔で


「残念ですが、勤務中なので」

やっと出てきた言葉をつぶやく。