ヒデタダは、キッとあたしをにらんだ。


「でかい図体でレモン切ってるのが、そんなにおかしいか?」

「おかしいね」


それに、やりなれてない感たっぷりで、余計こっけいな感じに見せてるんだ。


「はい」


ぽいっと、切られたレモンが投げ出される。


「それで、グラスのふちを濡らして」

「・・・・・・」


意味不明なんですけど。

黙ってると、ヒデタダは、あきらめて、グラスとレモンを手に取った。