「店、戻る」

「そうか。オレは帰るから。じゃあ」

「じゃあって・・・」

「もう近づかない。約束どおり、その格好で一緒に歩いてくれたから・・・あきらめてやる」

ヒデタダは、手を振って、背中を向けた。

そうなんだ。

あたしは少しの間、ヒデタダの背中を見送って、店のほうへ踵をかえした。