言われたな。

でも、それを説明したくない。

傷口を自分でエグりたくない。

「小野田さんがさ、紫苑を怒らせることをしたら、先ず、怒りで正気になって、もとの紫苑に戻るかもって。だから、あんたは、オレの姿を見た瞬間に、怒ってくれなくちゃいけなかったんだ。ここにいちゃ、いけなかった」

・・・そうか。

それは気づかなかった。

ふと目を誘われる。

お店のショーウィンドーの向こうにいた、綺麗なオネエさんと、目が合った。