「刹那ってね、思い込みが半端じゃないのよ。

彼の世界、思考のほとんどを、あの人に奪われてた」

思い出しているらしい。

遠くを見る目。

その言葉の一つ一つが、しっかりあたしを傷つける。

グッサリと、深く。

「やっと、周りが見えるようになってきてたのに、また、現われちゃったのよね。刹那、どうなるかしらね」

今度は、あたしの目を覗き込んでいる。

そこに、ショックのカケラでも、見つけ出そうとしてる。