「……私、何もしてない…。」


自分から話しかけることもしない。


会いにも行かない。


告白も…結局自分からできずに、返事まで待たせてる…。


“秋自身も不安がってんの!"


頭の中をさっきの和樹の言葉がぐるぐる回る。


…私、相川くんに甘えてたんだ…。


自分からは何も行動せずに、相川くんを待つだけ。

……それじゃダメだ。

自分から…ちゃんと行動しないと。

相川くんにしてもらうばっかりじゃダメだよ!!

「…よしっ」

「…あ、藤崎さん!!」


一人で小さくガッツポーズをしていると、下から声をかけられた。


ぱっと視線を向けると、そこにはちょうど探していた相川くんがいて、


明るい笑顔を見せながら軽く手を振っていた。

「相川くん!!」


小走りで近づくと、相川くんは一瞬キョトンとした後、

嬉しそうに微笑んだ。